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イルダリの日記 第3巻
この迷宮は私にぴったりだ。誰にも邪魔されずに復讐の計画を練る事ができる。命令を果たさせるために、たくさんのアッシュスポーンを作り、精霊たちを呼び出した。だがそれでも足りない事は分かっている。ネロスは海千山千のウィザードだ。私はもっと力をつける必要がある。
もう被験者となる者もいない。ニヤを除いては。彼女は最後まで取っておいたのだ。最初に私がここへ来た時、彼女は友人のように振舞った。だがもう私は真実を知っている。声が彼女のうそと裏切りをすべて教えてくれたのだ。彼女はネロスと組んで、私を破滅させようとしている。彼女のために特別な実験を取っておいた。終わるまでにはかなりの時間がかかるだろう。
ネロスを直接攻撃する事はできない。彼の力が強過ぎるからだ。だが、彼の人生を不愉快なものにしてやる事はできる。私は彼の執事を殺し、家を萎れさせてやった。高価なお茶にも毒を仕込んでやるべきかも知れない。それにはもっと腕の立つ手駒が必要だ。アッシュスポーンは不器用過ぎて、そんな繊細な仕事には向かない。
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