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ラリス・セダリスの日記 第22巻



ラリス・セダリスの日記 第22巻


我が姿なき友がもたらしてくれた慰めがなかったら、私はとっくにこの場所を逃げ出していただろう。相手が集団ではなく、多数を内包する1人の主である事に、もっと早く気付けば良かった。彼は私を墓地に対する真の理解に導いてくれた。その彼に、私は是非とも会いたいと思っている。


この場所に対する私の理解は、今やとても直観的で根本的なものとなっている。まるで自分がここを建設したかのように感じるほどだ。作業員たちにタイルの用法を説明したが、皆あまりに怖気づいているか、体を上手く操れないかで、正確に素早くそれぞれのタイルを踏む事はできそうになかった。だが問題ない。主に解決できない問題などある訳がない。


遠からず我々が正式に言葉を交わせる時が来るはずだ。



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