ソロンの日記 - 第2巻
第四紀200年 黄昏の月16日
人目を避けるため、ソリチュードの下水道奥深くで暮らしている。ここなら誰にも邪魔されずに仕事を続けられるはずだ。
頭がチーズでできているような無法者どもと働くのは苦痛だ。それともヨーグルトでできていたのだったか。どちらでもいい。どちらにせよ、太陽の下で放置された古びた牛乳の塊だ。略奪品の価値もわからないような愚か者どもだ。だが、だからこそ価値がある。
我らが主に倣って、キャラバンの交易路を見張らせるために奴らを2つの集団に分けた。その際は、このトンネルで集めた防具が役立つはずだ。互いに競わせてもいいかもしれない。秘宝をより多く回収した集団に石鹸を1つくれてやるか。
第四紀201年 恵雨の月28日
秘宝を集めれば集めるほど、主との関係が深まっていく。主の叡智が体を駆け巡り、一挙一動に生気を与えてくださる。だが、まだ何かが足りない。これまでに集めた物を使っても、祝福されたマニアに戻ることはできなかったからだ。やけになってディメンシャからの印を使ってしまったほどだ。
失敗する度に忍耐が失われていく。疲れた心を癒すため、あの無法者どもを1人か2人、いや、20人ほど絞め殺してやるべきかもしれない。
第四紀201年 真央の月15日
シェオゴラス様もお喜びになっているはずだ。大喜びしていらっしゃる。この新たな秘宝は実に驚くべき発見だ。本当に、実に驚くべきことだ。単なる両刃の剣として捨ててしまうところだったが、実際は秩序のデイドラ公の武器、ジャガラグの剣だったのだ。
その職人技こそが、真実を示している。両面とも完璧な左右対称になっており、角度も小数点以下10桁に及ぶまで完全に一致している。今夜、なんとか数えてみようと思う。
だが、この剣の真価はその付呪にある。その水晶の刃に目をやると、反射している自分の姿以上のものが見えてくるのだ。雲が川を見下ろすように、時の流れが見えてくる。始まりと終わりがあり、しかも同時に存在している。過去と現在と未来が一体になって流れているのだ。
次の日雲に語りかけ、これは真実だと確信した。剣の幻影を通して、私は未来を見ることができる。街の地下にある下水道において、道が開かれるのだ。剣がその橋渡しとなってくれるだろう。
第四紀201年 真央の月22日
ジャガラグの剣は予想よりもはるかに多くのことを教えてくれる。その考えは共感できると同時に、嫌悪感も感じる。私と同じようにマニアを求めているが、この剣が求めているマニアとは破壊に関する熱狂だ。
より悪いことに、主の声が遠ざかっている。もはや聞こえない。思考が途切れ、言葉はさらに出てこない。
第四紀201年 真央の月30日
この日記は分けて置いておかないといけない。日記同士が話し合っているような気がするのだ。いや、断じて気のせいではない。証拠がある。
だがここに書くことはできない。未来の自分がさらに嘘をつくといけない。過去と現在の考えは、すべて純然たるまま残しておかなければならない。