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ヴェスパースの日記
インドバルは面白い奴だ。毎日のように、俺たちにはあのオーディネーターの鎧を着る資格はないと言ってくるが、いざとなったら無理やり奪ってやるつもりだ。
だが俺は御手になれるほど有能じゃないから、面白半分で「アルマレクシアのつま先」を自称することにした。爪に灰がいっぱい詰まった、汚いつま先だ。
とにかく、このアイデアをインドバルに話してからもう一杯飲み干した。インドバルは額に血管が浮き出てた。それから、シンドラスのことは「アルマレクシアのへそ」に任命したらどうかとも話した。女神の体には俺たち全員の部位があるんだから、それぐらい別にいいだろう。
だがインドバルはあんまり笑ってなかった。血筋のせいだろう。それは俺にとっても同じだ。俺の先祖はアーミガーだったんだから。代々ヴィベクに仕え、何よりジョークを楽しめる血筋だ。
シンドラスがどっちの味方かはわからないが、頭にキノコを乗せてる魔術師が何を考えてるかなんて、読み取れなくて当たり前だ。
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