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デイドラ全書

書籍概要

『デイドラ全書』は、タムリエル世界におけるデイドラという存在を体系的に整理した資料であり、単なる一覧ではなく、それぞれの本質や象徴的役割を簡潔に言語化した点に価値がある。ここに記されるデイドラは、単なる「神」ではなく、特定の概念や衝動そのものを体現する存在として描かれている。


例えばアズラは光と闇の境界を司る存在として、世界の移ろいそのものを象徴している。一方でボエシアは秩序の破壊と権力の転覆という極めて政治的な概念を体現しており、信仰対象であると同時に危険な思想の象徴でもある。モラグ・バルに至っては支配と隷属という暴力的原理を具現化しており、その存在自体が世界に不和をもたらす要因となっている。


この書の特徴は、そうした抽象的概念を単なる説明に留めず、「デイドラ・アーティファクト」と呼ばれる物質的な形でも示している点にある。アズラの星やワバジャックといった有名な秘宝に加え、「神の怒り」のような知名度の低い武具に関する記述は、デイドラと物質世界との関係性を示す重要な手がかりとなる。

デイドラ全書


以下はこの大著からの抜粋であり、

各デイドラの特性を記したものである




アズラは闇と光の橋渡しをする神秘の領域である薄暮と黎明をつかさどり、「月影」「薔薇の母」「夜空の女王」とも呼ばれる。



ボエシアは虚偽と陰謀、秘密裏に行われる殺人、暗殺、反逆、法に依らない権力の転覆などをつかさどる。



醜いクラヴィカスは儀式的な祈祷や契約による力の授与や願いの成就をつかさどる。



ハルメアス・モラは水晶に投影される運命の流れをつかさどる。星と天から過去や未来を読みほどき、知識や記憶という財宝をその手に有する。



ハーシーンはデイドラの娯楽でもある偉大なるゲーム、狩猟をつかさどり、「狩人」とも「獣人の祖」とも呼ばれる。



マラキャスは拒絶されしもの、追放されしものたちの後見人であり、誓約や血の呪いの守護者でもある。



メエルーンズ・デイゴンは、破壊、変化、変革、活力、野望をつかさどるデイドラである。



メファーラは領域のはっきりしないデイドラである。「蜘蛛糸を紡ぐもの」「紡ぐもの」「蜘蛛」としても知られており、衆生界にちょっかいを出すことを生きがいとしているような節がある。



メリディアは領域のはっきりしないデイドラである。生きとし生けるものの活力と関わり合いがある。



モラグ・バルは衆生を支配し、奴隷とするデイドラである。人間の魂を刈り取って懐柔することを望んでおり、そのために衆生界に不和の種をばら撒いている。



ナミラは古代の闇をつかさどるデイドラである。「霊魂のデイドラ」とも呼ばれ、あらゆる悪霊や邪霊を統べている。蜘蛛、昆虫、ナメクジなどの人間が本能的に嫌悪する薄気味悪い生物と関わり合いがある。



ノクターナルは夜と闇をつかさどるデイドラで、「夜の女王」としても知られる。



ペライトはオブリビオンの最下層階級を統べる「親方」とも呼ばれるデイドラである。



サングインは快楽主義的な供宴や道楽、よこしまな欲望への耽溺をつかさどる。



シェオゴラスは乱心をつかさどるデイドラで、その真意は誰にもわからない。



バエアニマは夢と悪夢をつかさどるデイドラで、凶兆はその領域より生まれる。



「マラキャス」の項には印がつけられており、『神の怒り』に関する興味深い記述がみられる。要約すると、マラキャスに祝福されたこの武器は人の為に作られたもので、デイドラがその力を引き出そうとするとオブリビオンの虚空へと追いやられてしまうらしい


デイドラの伝説の秘法のなかでも、「アズラの星」や「シェオゴラスのワバジャック」などはよく知られているが、「神の怒り」や「マッカーンの槌」などは馴染みが薄いようである…


ところが、マラキャスは『神の怒り』を祝福して仲間のデイドラに対抗しうる力を吹き込んだものの、それが彼らの手に落ちることはどうしても避けたかったため、卑怯者と落伍者との私闘における武器にしようと考えた。

こうした事情からマラキャスは、邪悪な仲間のデイドラが武器の力を引き出そうとしても虚空が開いてその者を飲み込み、オブリビオンの彼方へと放逐されるよう呪いをかけ、そこから時の乱れのない虚々実々の世界へ追い返そうとしたのだ。

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