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スカイリム

Skyrim

九つの要塞と古竜の記憶が息づく、ノルドの故郷

スカイリム(Skyrim)

スカイリムとは

スカイリムは、タムリエル大陸の北部、亡霊の海に面した地方である。ノルドの故郷として知られ、『The Elder Scrolls V: Skyrim』では、上級王を失ったこの地にドラゴンが帰還する。古い王都ウィンドヘルム、帝国に通じる港町ソリチュード、街道の集まるホワイトラン。同じスカイリムに属する都市でも、その成り立ちと、誰を王と認めるかは異なる。


亡霊の海からリフトの森まで

西にはハイロックとハンマーフェル、南にはシロディール、東にはモロウウィンドがある。北岸には流氷が浮かび、南のジェラール山脈はシロディールとの往来を限られた峠に集める。東の国境沿いに連なるのはヴェロシ山脈である。山々に囲まれた内陸では、川と谷が街道の向きや集落の立地を決めてきた。

北から南へ旅をすると、雪国という印象は少しずつ変わる。ドーンスターでは雪の積もる岸に船が着く。ホワイトランの城門を出れば、見通しのよい平原の向こうに巨人の野営地が見える。イーストマーチでは温泉が湯気を上げ、南東のリフトでは黄葉した白樺が湖畔を彩る。西のリーチに入ると道は再び狭まり、切り立った岩の間をカース川が縫っていく。


九つの要塞とその中心都市

第四紀201年のスカイリムは、九つの「要塞(Hold)」に分かれる。要塞とは首長(Jarl)が治める領地のことで、中心都市の城壁をはるかに越えて、村や農場、鉱山、荒野までを含む。ホワイトランという名が都市と広大な平原の双方を指すのはこのためである。

要塞

中心都市

土地と暮らし

ハーフィンガル(Haafingar)

ソリチュード

天然の石のアーチに築かれた北西の港町。ブルー・パレスに上級王の宮廷が置かれ、ドール城には帝国軍が司令部を構える。

ハイヤルマーチ(Hjaalmarch)

モーサル

北部の低湿地。霧深い沼沢地の縁に木造の家々が並び、モーサルの製材所では水辺に丸太が積まれている。

ペイル(The Pale)

ドーンスター

内陸から北岸へ細長く延びる領地。港を挟んで鉄鉱山と水銀鉱山があり、海運と採掘が町の暮らしを支える。

ウィンターホールド(Winterhold)

ウィンターホールド

北東の海に面する旧都。大崩壊で市街の多くが海に沈み、断崖の向こうに残った魔術大学へは細い石橋が通じる。

リーチ(The Reach)

マルカルス

険しい西部の山地。銀を産し、中心都市では古代ドゥーマーの石造建築が今も住居や宮廷として使われている。

ホワイトラン(Whiterun)

ホワイトラン

中央の平原と街道の交点を押さえる交易地。丘の上のドラゴンズリーチから、市場や城外の農場を見渡せる。

イーストマーチ(Eastmarch)

ウィンドヘルム

北の河港と南の火山性の温泉地帯という二つの顔を持つ。古王の宮殿は、第四紀にはストームクロークの本拠となる。

ファルクリース(Falkreath)

ファルクリース

シロディールに近い南部の森林地帯。国境をめぐる戦いの記憶は、町の規模に比してひときわ大きな墓地に残る。

リフト(The Rift)

リフテン

比較的温暖で、森と湖と農地が広がる。ホンリッヒ湖畔のリフテンでは、地上に市場が立ち、地下に盗賊ギルドが潜む。

イスグラモルの帰還と「涙の夜」

ノルドが自らの始まりを語るとき、二つの土地が登場する。人間はカイネの息吹によって聖山「世界のノド」に生まれた、というのが彼らの創世伝承である。一方、海を渡ってきた祖先の物語では、北方大陸アトモーラが旅立ちの地となる。ノルドの伝統がイスグラモルの遠征を「帰還」と呼ぶ背景には、この二つの故郷がある。

アトモーラからの移住者が築いた初期の都市の一つが、サールザルである。彼らが渡ってきた当時、スカイリムにはすでにスノーエルフの文明が栄えていた。両者の対立は、エルフがサールザルを襲った「涙の夜」として伝わる。生き延びたイスグラモルはアトモーラへ渡り、五百人の同胞を率いて引き返した。後世のノルドは彼を建国の英雄として称えたが、スノーエルフにとって、この帰還は故地を追われる長い戦いの始まりだった。

襲撃の動機には異説がある。ゲーム内書籍『涙の夜』の著者は、サールザルの地下で人間が見つけた何かをエルフが恐れた可能性を挙げる。ウィンターホールド大学の発掘で現れる巨大な遺物「マグナスの目」は、この説を思い起こさせる。遺物の発見だけで、当時の襲撃者の意図までが明らかになるわけではない。


山の地下に残るもう一つのスカイリム

マルカルスの地下やブラックリーチには、ドゥーマーが築いた都市と機械が残る。地上では石造の部屋に人々が住み、地下では主を失った自動機械が通路を守り続ける。ノルドの王統をたどるだけでは見えてこない、この地方のもう一つの歴史である。

ノルドの進出を逃れたスノーエルフの一部は、地下のドゥーマーに庇護を求めた。生き残ったスノーエルフ、ギレボルの証言によれば、保護の代償として視力を奪う食物を受け入れさせられたという。第四紀に地下で独自の集落を営むファルメルは、その人々の末裔である。対照的に、忘れられた谷には、アーリエルを祀ったスノーエルフ自身の聖域が残っている。


竜戦争と、声を使わない修行者

古代のスカイリムでは、竜を崇める竜教団が力を持ち、ドラゴン・プリーストが人々に君臨した。その支配に人間が反旗を翻した戦いが竜戦争である。伝承では、女神カイネの働きかけに応じたドラゴン、パーサーナックスが人間に〈声〉の使い方を教えた。ドラゴンの言葉を発し、その意味を世界に作用させるこの力を、スゥームという。

世界のノドでアルドゥインに挑んだ古代の英雄たちは、星霜の書を用いて彼を未来へ送り出した。第四紀201年、ヘルゲンを襲った「世界を喰らう者」の帰還は、この古い戦いの続きだった。竜の魂を吸収し、力の言葉を身につける最後のドラゴンボーンは、かつて英雄たちが戦った山へと導かれる。

同じ山には、声の力を慎んで用いる人々も暮らす。グレイビアードがハイ・フロスガーで守る「声の道」は、かつての戦士ユルゲン・ウィンドコーラーに始まる。麓のアイヴァステッドから続く七千階段を登る巡礼者は、途中の石碑を通じて、かつて戦場を揺るがした声が、いかにして祈りと沈黙の修行に結びついたかを知る。


王国の成立と東西の分裂

第一紀にはハラルド王のもとでスカイリムの王権が固まり、その後の王たちはモロウウィンドやハイロック方面に勢力を広げた。この時代のノルドの帝国は、後にシロディールを中心に成立する帝国に先立つ。だがボルガス王が後継者を残さずに死ぬと、首長たちの会議(ムート)は新王を決められず、継承戦争が起きた。王位を争うあいだに、征服地ではノルドの支配を覆す動きが広がった。

第二紀の『The Elder Scrolls Online』では、スカイリムは東西に別々の王を戴く。東の王ヨルンはウィンドヘルムを王座とし、ダンマー、アルゴニアンとエボンハート・パクトを結んだ。西ではソリチュードのスヴァーグリムが独自の宮廷を構えている。同盟の首都はモロウウィンドのモーンホールドであり、ウィンドヘルムはあくまで東スカイリムの王都である。第二紀末にタイバー・セプティムが大陸を統一すると、スカイリムもセプティム朝の帝国に組み込まれた。


信仰と暮らしに残る英雄の記憶

ノルドの信仰では、嵐の女神カイネと、死者の国ソブンガルデに館を構えるショールが重要な位置を占める。勇者たちがショールの「勇気の間」で宴を囲むという伝承は、戦場を前にした兵士の言葉にも現れる。一方、第四紀のホワイトランでは、枯れかけた大樹ギルダーグリーンの傍らにキナレス聖堂が立つ。古いカイネの名を守る信徒と、帝国の神名で祈る市民が同じ地方に暮らしている。

英雄の記憶を伝える場所は聖堂だけではない。ホワイトランの同胞団はイスグラモルの戦士たちに起源を求め、ソリチュードの吟遊詩人の大学は歌や詩を通じて過去を語る。たとえば隻眼のオラフ王が竜ヌーミネックスを捕らえたという英雄譚には、その武勲を疑う書き手もいる。宮廷で語られる物語と酒場で歌われる詩が、同じ王を同じように記憶しているとは限らない。


第四紀の内戦と、地方ごとに異なる争点

第四紀175年、帝国とアルドメリ自治領の大戦は白金協定の締結で終わった。協定が禁じたタロス崇拝は、スカイリムに深い亀裂を生む。タロスは帝国を築いたタイバー・セプティムが神となった存在であり、ノルドにも篤く崇められていた。帝国の創建者を公然と祀れなくなったことが、帝国からの独立を求める理由の一つになったのである。

第四紀201年、ウィンドヘルムの首長ウルフリック・ストームクロークは、ソリチュードで上級王トリグを倒した。支持者は古い慣習に従った決闘とみなし、帝国側は上級王の殺害とみなす。ソリチュードを拠点とするテュリウス将軍の帝国軍と、ウィンドヘルムを拠点とするストームクロークが対峙し、各地の首長も去就を問われた。中央のホワイトランが重視されたのは、市が東西を結ぶ街道を押さえ、どちらの軍にとっても兵と物資を通す鍵だったからである。

その争いも、住む場所によって違って見える。西部のリーチでは、独自の文化を持つリーチの民のうち、フォースウォーンがマルカルス奪還を掲げて戦っている。東のウィンドヘルムでは、モロウウィンドにルーツを持つダンマーが灰色地区に暮らし、アルゴニアンの港湾労働者は城壁の外で生活する。誰が上級王になるかという問いの陰には、誰がこの土地に住み、何を信じ、どこで働けるのかという、それぞれのスカイリムがある。

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