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アルドメリ自治領

Aldmeri Dominion

女王が結んだ三種族の同盟から、帝国と戦った第三次自治領へ

アルドメリ自治領(Aldmeri Dominion)

アルドメリ自治領とは、サマーセット諸島のハイエルフを中心に、タムリエル南西部で三度にわたって成立した政治勢力の名である。『The Elder Scrolls Online』でこの名を掲げるのは、アイレン女王のもとに三種族が集った同盟だ。およそ千年後の『The Elder Scrolls V: Skyrim』では、サルモールが率いる強国として帝国にタロス崇拝の禁止を認めさせ、その影響をスカイリムにまで及ぼしている。日本語版『ESO』での表記は「アルドメリ・ドミニオン」。両作品の間には、ヴァレンウッドの王位継承争いから生まれた、もう一つの自治領が存在した。


三つの自治領

呼称

成立

政治的な中核

同時代の争点

第一次アルドメリ自治領

第二紀580年

アイレン女王。アルトマー、ボズマー、カジートの同盟

帝都の危機とルビーの玉座をめぐる三陣営の戦争

第二次アルドメリ自治領

第二紀830年

サマーセットとヴァレンウッド。キャモラン朝の王位を支えるサルモール

コロヴィアの介入と、のちのタイバー・セプティムによる征服

第三次アルドメリ自治領

第四紀29年

サルモールが掌握したアリノールとヴァレンウッド。のちにエルスウェアの二王国を従属国とする

メディア朝の帝国との大戦、白金協定とその執行


第一次自治領 ―― アイレン女王が三種族を結んだ理由

第二紀の空位時代、シロディールには大陸をまとめる安定した皇帝がおらず、帝都にはデイドラ公モラグ・バルの信奉者が勢力を広げていた。若いころにサマーセットの外を旅し、父の死を受けて帰国したアイレンは、王位を継ぐと、ヴァレンウッドのボズマーとエルスウェアのカジートに協力を求めた。女王たちの目には、帝都の混乱は、古い知識と経験を持つエルフがタムリエルの統治を引き受けるべき理由と映っていた。

同盟に加わる理由は三者で異なる。ヴァレンウッドのボズマーにとって、国境を越えてくるコロヴィア勢力は身近な脅威だった。カジートとアイレンを結んだのは疫病である。「ナハテンの流感」で大きな被害を受けたエルスウェアに女王が復興の手を差し伸べたことは、カジートが彼女を支持する理由となった。首都に選ばれたのは、女王の故郷サマーセットの宮廷から海を隔てた、ヴァレンウッドのグラーウッドにあるエルデンルートだった。

『ESO』では、自治領はダガーフォール・カバナント、エボンハート・パクトとシロディールで覇権を争う。一方、女王の身近なところにも対立があった。アイレンがサマーセットを異国の者に開いても、その決定を住民すべてが歓迎したわけではない。反対に、女王が機密を託す〈女王の瞳〉にはカジートのラズム・ダーがいた。彼が女王に直接届ける報告からは、三種族の結びつきが宮廷の日々の仕事にまで及んでいたことがうかがえる。


第二次自治領 ―― ヴァレンウッドの王座とサルモール

第二紀830年、ヴァレンウッドを治めるキャモラン朝で後継者争いが起こった。『帝国のポケットガイド』初版によれば、ボズマーの一派は自らの候補への軍事支援を得るため、西シロディールのコロヴィア人に領土の割譲を持ちかけた。対するサマーセットのアルトマーは、約千年前に結ばれた条約の後見条項を根拠に介入する。彼らが擁立したのは、その条約を結んだ王家の血を引くキャモラン・アナクセメスだった。

アルトマーは候補者を支えるため、サルモールと呼ばれる臨時政府を設けた。コロヴィア勢力は退けられ、王位を得たアナクセメスはアリノールの王に五十年間の忠誠を誓った。ここでの「サルモール」は、王位継承とヴァレンウッドの統治を担う政府の名として記録されている。この経緯を伝える『ポケットガイド』は、のちに自治領と対決する帝国側が編んだ史料である。介入を受けたボズマー自身の証言とは区別して読む必要がある。

第二紀末、自治領はタイバー・セプティムの大陸征服に直面した。第二紀896年、タイバーはドゥーマーの巨大な人造物ヌミディウムを用い、サマーセットを屈服させる。自治領は独立勢力としての歴史に幕を下ろし、諸島は帝国の支配下に入った。後世の帝国でタロスとして崇められるのは、この征服を成し遂げた人物である。


第三次自治領 ―― オブリビオンの動乱から再興へ

第三紀末のオブリビオンの動乱では、サマーセット諸島もデイドラの侵攻を受けた。危機のさなか、現地で権限を広げたのがサルモールだった。帝国側の作中書籍『大戦』は、諸島の防衛における彼らの働きを認めている。一方、動乱を終結させた功績を誰に帰すかは、サルモールが自らの支配を正当化するうえでも重要な争点となった。

第四紀22年、サルモールはサマーセットの政権を掌握し、国名をアリノールと改めた。自治領再興の節目はその七年後にある。第四紀29年、ヴァレンウッドでサルモールに協力する勢力が政府を倒し、アリノールとの連合を宣言した。帝国とこれを支持するボズマーは介入に対処できず、両地域を核とする第三次自治領が成立した。同じボズマーの間でも、自治領と帝国のどちらを支持するかは分かれていたのである。


消えた二つの月とエルスウェア

第四紀98年、夜空からマッサーとセクンダが姿を消した。二つの月が暮らしや信仰と深く結びつくカジートにとって、これはとりわけ深刻な出来事だった。およそ二年後に月が戻ると、サルモールは自分たちの術の成果だと称した。『大戦』の著者も、彼らが月を戻したのか、月が戻る時を知っていただけなのかは判断を留保している。

政治的な結果ははっきりしている。サルモールの威信が高まったエルスウェアでは、第四紀115年の政変で従来の連邦が解体された。再び成立したアネクイナとペレタインの二王国は、自治領の従属国となる。第一次自治領では同盟結成に加わったカジートの故郷が、第四紀には二つの王国として自治領の勢力下に置かれた。


大戦と白金協定 ―― 帝都を奪還した帝国が講和した理由

第四紀171年、自治領の使節が皇帝タイタス・ミード二世に最後通牒を突きつけた。要求には莫大な貢納、皇帝に仕えてきたブレイズの解散、タロス崇拝の禁止、ハンマーフェルの広い領域の割譲が含まれていた。皇帝が拒むと、使節は荷車に隠していたものを御前に投げ出した。サマーセットとヴァレンウッドで捕らえられたブレイズの工作員たちの首だった。自治領軍はシロディールとハンマーフェルに侵攻し、大戦が始まる。

第四紀174年、帝都が陥落した。翌175年、皇帝は赤輪の戦いで自治領の主力を包囲し、帝都を奪還する。しかし、勝利の代償は大きく、帝国軍にも戦前の兵力は残されていなかった。皇帝は戦争継続よりも軍の再建を選び、自治領と白金協定を結ぶ。帝国は首都を取り戻した一方で、タロス崇拝の禁止とハンマーフェル南部の割譲という、開戦前にも突きつけられていた条件を受け入れた。

帝国の講和は、ハンマーフェルの終戦にはならなかった。故郷の割譲を拒んだレッドガードは帝国と袂を分かち、自治領軍との戦いをさらに五年間続けた。第四紀180年、第二次ストロス・エムカイ条約によって自治領軍はハンマーフェルから撤退した。白金協定に書かれた国境と、現地の人々がその後の戦いで守った国境には、この五年間の隔たりがある。


『Skyrim』で見る自治領 ―― スカイリム内戦とサルモール

第四紀201年のスカイリムで、住民が日常的に接するのは自治領の軍隊よりも、タロス信者を取り締まるサルモールの執行官である。ソリチュード近郊には大使館が置かれ、第一特使エレンウェンが活動している。帝国と自治領の間で交わされた協定は、ノルドが誰に祈れるか、帝国に忠誠を誓い続けられるかという問題になっていた。

大使館で見つかるウルフリック・ストームクロークの調査記録は、自治領の思惑を伝える珍しい内部資料である。記録はウルフリックを、帝国を消耗させるうえで利用価値があり、直接の接触には非協力的な人物と評価する。帝国軍の勝利を防ぎたい一方、ストームクロークの勝利も避けるべきだと担当者は記している。サルモールに最も都合がよかったのは、スカイリムの帰属が決まらず、双方が兵を失い続ける状態だった。

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