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シセロの日記 - 第2巻



第四紀188年 南中の月7日


ウェイレストを失った。街は海賊の手に落ち、聖域が侵略されるのも時間の問題だ。万が一の時は、夜母のご加護がありますように。



第四紀188年 収穫の月5日


今日、知らせを受けた--ウェイレスト聖域は海賊の襲撃にあって破壊された。生存者はいない。


これで実際に機能している闇の一党の拠点は残りたった3つとなってしまった。ここ帝国地域にあるシェイディンハル聖域、スカイリムの森の中に位置する遠隔地の聖域、そしてエルスウェーアにあるコリンス聖域だ。


ブラックハンドはコリンス聖域の閉鎖、そしてそのコリンス聖域のメンバー達をここシェイディンハルにいる我々の階級の中に迎え入れて一体化することを命じた。自分がここに住み始めた当初してもらったように、私は新しく家族のメンバーとなる者達を暖かく迎え入れるつもりだ。



第四紀188年 炉火の月27日


ブラヴィルの状況は日に日に切迫してきている。シロディールにおけるスクゥーマの二大密売業者が繰り広げている戦いのせいで、街では暴力が横行するようになった。聞こえし者のアリサンヌ・ドゥプレは自分の邸宅を守るために傭兵を雇わざるをえなくなった。



第四紀188年 黄昏の月1日


ブラヴィルが危機に陥っている。幸運の老女の像が壊されると、アリサンヌ・ドゥプレは像の残骸の下に隠されている夜母の墓地を守るために邸宅を離れた。もし墓地が発見されればもちろんアリサンヌ・ドゥプレは自分の命が尽きるまで不浄なる母の遺体を守ろうとするだろう。


ラシャはこれからガルナグとアンドロニカを墓地の守りに加勢させるために墓所に送り込む。私も同行を強く訴えたが、ラシャは聞き入れてくれなかった。私の役割はこの場所でこの聖域を守ることだと言うのが彼の言い分で、私にはその決断を尊重する他ない。



第四紀188年 黄昏の月12日


任務をしくじって、報酬を没収された。絹物商は既に冷たくなっていたが、彼女の娘が部屋に足を踏み入れた時、私はまだ窓から身体半分しか出ていなかった。その時点で選択の余地はなかった。



第四紀188年 黄昏の月21日


最後に日記を書いてから多くのことが起こった。ガルナグとアンドロニカがブラヴィルに発った後、街からの情報が途絶えた。我々は最悪の事態を恐れた。今朝、ガルナグが1人で最も大切な荷物を運びながら戻ってくるとその恐れは確信へと変わった。その荷物とは--夜母の大きな石棺だ。


ガルナグが話してくれたのはシシスの最も鍛え上げられた家来でさえも震え上がってしまうような話だった。夜母の墓が襲撃された。愛しい姉妹のアンドロニカはバラバラにされた。そして最も名誉ある聞こえし者のアリサンヌ・ドゥプレは生きたまま魔術師の炎に焼かれた。


ガルナグは重症を負ったが(ほぼ間違いなく彼の右目は失明してしまうだろう)、なんとか追撃してくる連中を払いのけ、街の外まで夜母の棺を運んだ。そして悲劇の夜からずっと、彼は歩き続けてここに戻ってきたのだ。



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