top of page

クラグラシュの手紙



この手紙を見つけた者よ、我が物語を聞いてくれ。


私の名はクラグラシュ。過去6年、私はこの辺で猟師をしてきた。週に1回ソリチュードに出向いては、肉や皮を売った。


そのような旅の間に、木の幹へもたれかかった旅人を道端で目にした。彼の肌はシーツみたいに白かった。やつれた顔、首と腕の噛み傷で、吸血鬼の仕業なのは一目瞭然だった。


彼をソリチュードに運び、市警隊に報せた。到着すると、彼らは目の前にある死体のように冷たく無関心な態度を見せた。前にも見たことがあると言っていた。埋葬すると彼らは申し出たが、この件に関する興味はそこまでだった。その時、私は決めたのだ。夜の間はより危険な獲物を狩ろうと。


以来、始末した牙の生やした怪物の数は12を下らない。実際、この稼業が板についてきたところだった。


それもある晩までだ。私は吸血鬼が単独で森をうろついているのを見た。足を止めては休み、息ができないようだった。それが渇きのせいなのか、疲労のせいなのかは分からなかった。しかし、こんな怪物に情けは無用だ。そこで近くの茂みに隠れ、クロスボウを構え、とどめを刺そうと狙いをつけた。


突然、奴の仲間2名が左右から襲い掛かってきて私を引っかき、噛みついた。罠に誘い込まれたのだ。


なんとか逃げられたが、傷は深かった。それどころか血管の焼ける感覚から、病に感染したことを悟った。間もなく私は蝕まれて、奴らの仲間になってしまう。


そこで私の最後の一日となるだろう日に、この手紙を書き、サルモール大使館の南にある、私の好きな高台に歩いて行って、朝日を見ることにした。なおベアトラップを持って行って、自分の足をはさんでおくことにした。もう自分を信用できず、身をひるがえして逃げかねないと思ったからだ。太陽があっという間に片づけてくれることを願っている。最後に日の出が見られてありがたい。


読んでくれた人よ、お前にバトンを託そう。私の死体を探せ。所持品の中に鍵があるはずだ。地下室を開け、そこにしまってある武器を取れ。かつて私がそうしたように、その武器で旅人を吸血鬼の脅威から守ってくれ。



bottom of page