top of page

エルバン動物寓話集: ハグレイヴン

書籍概要

『ハグレイヴン』は、「エルバン動物寓話集」に収録された一編であり、リーチ地方に棲む異形の魔女“ハグレイヴン”について描かれた怪異譚である。物語は、闇の魔法に手を染めた若い女性が共同体から追放され、その後に山奥で半人半鳥の怪物として目撃されるようになった、という噂話から始まる。


語り手はその真相を確かめるためリーチへ赴き、ハグレイヴンの棲み処を探索する。そこで描写されるのは、骨や頭蓋骨、血塗られた羽根、祭壇、空の魂石などで満たされた凄惨な空間であり、リーチに根付く原始的かつ呪術的な文化の不気味さを強く印象づけている。また、フォースウォーンがハグレイヴンを崇拝しているという描写は、彼らの信仰や価値観を理解する上でも興味深い要素となっている。


作中で遭遇するハグレイヴンは、もはや人間の面影を残しながらも完全に別種の存在へ変貌している。黒い羽根に覆われた肉体、鋭い爪、生命力を吸収する魔法など、その姿はスカイリム本編に登場するハグレイヴン像とも一致しており、本書はゲーム中で語られる設定を補強する役割を持っている。

エルバン動物寓話集:

ハグレイヴン




薄明の月5日


変わり者だが若くて美しい女が闇の魔法に手を染めたとして石を投げられ、町から追放されたという話を聞いた。彼女はリーチへ逃げ込むと二度と出てこなかったらしく、邪悪な彼女の魔法は日々強くなっているという。その後、半分女で半分鳥という姿の魔女が山奥で目撃され、目撃回数が増えるとともに若い娘たちが姿を消し始めた。


私はそんな話を聞いてリーチに来た。ハグレイヴンと呼ばれる魔女が住みついているという場所だ。私は剣と盾を用意し、その化け物を倒さなければならない。


薄明の月24日


普通の人間なら、目の前の凄惨な光景に胃がひっくり返るだろう--最初に見えたのは、もじゃもじゃとからまる髪の毛と骨、人の頭蓋骨、槍に刺して積み重ねられた死んだ山羊の頭、不潔な動物の皮、ぶちまけられた内臓、血で固まった羽根。フォースウォーンがハグレイヴンを崇め守っていると聞いたことあるが、周りにはその魔女たちの小さく粗雑な宝石や、祭壇にはくすんだ空っぽの魂石があった。これほど死に満ちた場所に、いったいどんな下劣な生物が住むというのだろう?


巣穴の奥へ進むと、最初に--不規則なすり足と息遣いが聞こえ、次いで忘れることのできない悪臭がただよった。たいまつを前につき出し、眼前の地下道の暗闇に目が慣れるのを待った。見えた影は奇妙な歩き方のきゃしゃな女性だったが、たいまつの光は別の何かを照らし出していた。このハグレイヴンは恐れおののいており、人間というよりは女性と生物の醜態を融合したようで、闇の魔法と引き換えに人間性を捨てた抜けがら以外の何者でもなかった。魔法の力は彼女を堕落させ、ゆがんだ体の上にある老婆のような顔からは、ガラスのような目が鋭く光り、いびつな人体は黒い羽根で包まれていた。それは叫び声をあげると同時に逆立ち、そのかぎ爪のある手に鮮やかな赤い光が集まり始めたので、私は最も不純な魔法を防ぐために盾を持ちあげることしかできなかった。私は激しく戦ったが、このかつて女性であった化け物は私から生命力を奪い、また私の弱点を突いてくるようだった。


多くの者は崩れ落ちたのだろうが、私は屈しない。ハグレイヴンはその運命に相応しい最も不快な生物であり、その爪はエルバンの勝利を物語る戦利品だ。私はまだ震えるほど恐ろしいものを見ていないから、旅と冒険を続けるほかない。

エルバン動物寓話集

エルバン動物寓話集: ハグレイヴン
『ハグレイヴン』は、The Elder Scrollsシリーズに登場する書籍「エルバン動物寓話集」の一編です。闇の魔法によって人間性を失った魔女ハグレイヴンと、リーチ地方に広がる不気味な伝承を描いています。
bottom of page