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ダイナス・ヴァレンの日記



第四紀201年 暁星の月18日


ゴールドールの伝説を初めて耳にしてからどれくらい経っただろうか? 80年か? 100年だろうか? 今はこれ以外のことを考えられない。ゴールは目前だ。


何年も調査を続け、ようやくアイボリーの爪がブラヴィルの収集家の手元にあることを突き止めた。彼の死はやむを得なかった。だが、手に入れた。ようやく手に入れた。




第四紀201年 暁星の月22日


3日間ほど休むことなく移動。追っ手よりも先にアンヴィルに到着し、ソリチュード行きのアイスランナーに再び乗った。




第四紀201年 暁星の月29日


他の乗客に怪しまれ始めている。夕食から戻ると私の部屋を探し回っている輩を捕まえた。危うく爪を見つけられてしまうところだった。もし船長が間に入って来なかったら、そいつの皮を生きたまま剥いでやっただろう。


旅の間、自分の部屋に閉じこもって自分のノートを見返したり、呪文の準備をしたりしたかったが、自分に向けられている注目を逸らさなければなるまい。他の者達と一緒に混ざって、どこにでもいるしがない魔術師のフリをしなければ。今だけは。




第四紀201年 薄明の月2日


その輩は冒険家で、一財産作るべく仲間と一緒にスカイリムの遺跡に向かっているのだと言う。もしかしたら、これをチャンスに変えられるかもしれない。彼らは墓内部にいるドラウグルや仕掛けられたトラップ用のおとりに使える。彼の目の奥に強欲さが潜んでいるのが窺える。そうだ、うまくいくはずだ。


船長いわく、ソリチュードまで3週間。それ以上長くこのばか者達と一緒に過ごさなければならないなら、泳いだ方がマシだ。




第四紀201年 薄明の月27日


輩とその仲間を従え、沼地を通ってその日の野営地となるフォルガンスールまで集団を率いた。10年前初めて旅した時と比べてさほど変わったことはなかった。だが、今回私には爪がある。アミュレットを手に入れる。


墓の中を通る際に物語や古い言い伝えの一節が必要になった時のことを考え、一晩かけて自分のノートを要約した。それから自分の本を全部火の中に投げ入れ、私のライフワークは灰と化した。ついにこの時が来たのだ。私がアミュレットを手に入れることができなければ、他の誰にもできないだろう。



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