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ヴァレリカの日記



収穫の月27日


ハルコンの先見性のなさが深刻な問題となりつつある。くだらぬ予言は私たちに対する世間の注目を無暗にあおることになると、再三にわたって忠告しているのに、彼は私の言葉に耳を貸そうとすらしない。もはや私は彼にとって、妻というより苛立ちの種となってしまった。彼の馬鹿げた聖戦に付き合わされる中、自分の仕事に打ち込むことだけが癒しとなっている。


収穫の月28日


今日は大きな進展があった。素材の小さなサンプルを適切に用いて、転移門の器をソウル・ケルンに合わせて調整することができたのだ。転移門が開いたのは数分間のみだったが、適切な処方をすれば無期限にその状態を維持できると確信している。だが、重要な素材がひとつ欠けている気がする。こちらの侵入を阻もうとする力に抵抗し得る、十分な効能を持つ素材だ。アイディール・マスターとの懇談は無駄だということが分かった。彼らは謎かけを用いて話し、こちらが魂の安定供給を保証しようが、何の協力も申し出る気配はない。ハルコンの支配から逃れるには、ここを… ことによっては永久に離れるのに十分なだけの間、転移門を開いておく必要があるのだが。


炉火の月3日


やった! 何千枚もの金貨を素材に費やし、ついに転移門の維持方法を発見した。下に素材をまとめるが、我が身の安全のため、分量は省く。第二の予防措置として、処方に自分自身の血を加えておく。それによって他人が転移門を複製したり、私を追ってソウル・ケルンに入ったりすることはできなくなるはずだ。


素材表:


丁寧にひいた骨の粉

浄化された虚無の塩

魂石の破片


量を正確に測った上で、上記を銀メッキを施した転移門の器に載せ、血を加える。


明日、荷物をまとめ、長くなるであろう亡命生活への準備を整えた後で、ソウル・ケルンに入るつもりだ。だがそれよりも重要なのは、セラーナに関する計画を実行するということだ。そして彼女をできるだけ早くディムホロウ墓地に移すのだ。



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