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傭兵のメモ



魔術師から連絡を受けてから2日経っている。


野営地で待てと彼は言ったが、クモからお宝を取るのにはみなウンザリしている。魔術師は財宝と栄光を約束したが、あのバカが殺されてしまったら我々は誰も給料がもらえない。困ったことだ。


しかし、まだ帰るべきか決められない。ここは何か妙な感じがする。

空気のせいかもしれない。喉がいがらっぽくなるほど乾燥しているかと思うと、今度は溺れそうなほどの湿気を感じる。遺跡では時間の感覚を失いやすい。だが、ここでは正気を失いそうだ。


昨日の晩、ちょっと外の空気を吸いに出ようと思った。もう一度太陽を拝めれば、頭を冷やせると思ったんだ。暑さで汗まみれになって野営地に戻り、他の傭兵にも勧めた。彼女はもう行ったけど、寒すぎたと言った。彼女のブーツについた雪を見るまで、何を言っているのか分からなかった



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