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ハイエンリルの日記



第四紀201年薄明の月1日

マスター・エレインの話では、混沌の杖を作ったのがローレスだったという。ジャガル・サルンに奪われて、永遠の勇者が粉々にするまで、代々受け継がれてきたそうだ。


破片は永遠に消失したかもしれないが、数百年後にローレスの末裔が魔法を復活させようとした。その産物が混沌の腕という、太陽と月の力を利用する魔法の杖だった。しかしある日、この魔術師は杖を分解して、その命を奪うことにした。杖には正体不明の狂気が憑りついているとのことだった。


この秘宝を修復することに私の師匠は憑りつかれていた。そして彼女を慕うこの私も執りつかれた。彼女と話せたら、次にどうしたらいいか分かるのだが。


第四紀201年恵雨の月17日

この先どうしたらいいかは亡き師匠に任せることにした。彼女の遺品を調べると、よく身に着けていた魔法のネックレスのスケッチが出てきた。まったく同じものなのだが、一点だけ異なっていた。アミュレットの中心にオーブが配置されているのだ。ローレスの魔法は、人に遠い世界を行き来させられたというのが本当だとしたら、このオーブが印石というのもありえる話だ! 私の勘が正しければ、杖にも同じものが足りない。


第四紀201年恵雨の月22日

気持ちも新たにウィンターホールドの書庫を隅々まで調べ、進むべき道を発見した。3体のデイドラを召喚する方法を見つけなければならない。彼らは印石の守護者なのだ。スカイテンプルの遺跡の東岸に、デイドラの刻印のある祭壇がある。あれこそ必要なものかもしれない。


第四紀201年恵雨の月28日

壁にぶつかってしまった。召喚サークルを起動する指輪を亡き師匠と埋葬してしまった。しかも愚かにも彼女ごと故郷に送ってしまった。せっかく彼女が指輪を残してくれたのに、感傷と勘違いしてしまったのだ! 私はネッチゼリーより間抜けだ。


しかし、ぼやいてみたところで取り返しはつかない。船の名はシースタリオン号だ。出航前に捕まえられるだろうか。


第四紀201年収穫の月2日

配達人はまだ戻らない。最悪のことを恐れ始めた。私の手紙が着くずっと前に、船はすでに港を離れてしまったのではないかだ。今の時点ではどうしていいかわからない。睡眠も十分に取れていないし、何もない所で軋み音が聞こえるようになった。


師匠が健在でいてくれたらよかった。彼女の知恵に頼りたかった。アーケイの祠が南に向かう山道にあると言う。朝になったらそこを訪ね、答えを求めて祈りを捧げよう。



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