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ガラー・リサリの文書



ガラー・リサリの私文書、ボイアント・アーミガー著



囲まれた上に孤立し、私は敵に降った。相手は紳士のような身なりをしていたので、名誉ある待遇を期待した。ところが、私が目にしたのは血を啜る怪物の晩餐だった。


自らの堕落に恥じ入り、かつ状況に絶望し、消極的ながら、私は次第にオーンデイ家の諸事を黙認するようになっていった。私は人間を食らいはしなかった。ただ、獣だけだ。そして他の眷属との交わりを避けた。とは言え、私は希望を捨てて獣のように暮らした。


かつての暮らしの懐かしさに惹かれ、バル・ウルの昔の持ち場を訪ねた。モンスターを獲物にするか、モンスターに滅ぼされることでせめてもの罪滅ぼしがしたかったのかもしれない。その地にある巡礼者の祠の地下深くにある洞窟内の祭壇において、私は偶然にも、災いの王モラグ・バルに嘆願することになった。私は驚き、興奮し、怯えた。かのデイドラの主の化身かその使いか何かが、吸血症を治癒するチャンスを与えてくれたのだ。ある行いの見返りとして。しかし、治らねば魂にも霊魂にも望みがないので、彼の依頼を受けた。… 私は…… ダ… ス ウル … l私 しっかり バル・ウルでだ。


私は宝石を祭壇の水盤に置いた。その途端、言葉にできないような激痛と恐怖に襲われ、目の前が暗くなった。だが後から考えると、私は眠り、何千という小さなナイフに体内から切り裂かれる夢を見ていたようだった。目を覚まし、祭壇の前で、刀身に映る自らの顔を眺めた。そこにはもう血を求める獣のような牙はなく、虚無の瞳も消えていた。



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