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クイナンシルの日記



シルバーブラッドとの取引は完了した。宝物庫はかなり巧妙に隠してある。あえて堕落者や盗賊どものすぐ近くに隠しておいた。


おかしくてたまらない。自分たちの汚い寝床からたった壁1枚を隔てた場所に富と幸運があるとはつゆ知らず、あの連中は夢を見続けるだろう。


安全策としては、2つの方法をとった。まず、扉には鍵が掛かっているが、それだけでは奴らの好奇心を煽るだけだ。そこで地元の連中の間では、エスラフという物乞いの金庫ということになっている。


あのドブネズミたちに少しでも知性があれば、エスラフ・エロルとは無一文から財を成した架空の王子の名前だと気づくはずなのだが。


私もまた、一から努力して現在の地位まで昇り詰めた。受け取るべきだったものを受け取り、それを10倍にも増やしたのだ。


結局のところ、兄弟のエルナンシルは命があるだけで幸運というものだ。他の物を全て奪ってやったところで、文句は言わないはずだ。



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