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ピットの戦士のメモ



あるハグが杯を渡してきた。この杯は最高と最低を引き出すとか言ってた。よくわからなかったが、俺は光り物が大好きだからもらっておいた。


それに、あのハグはほとんど目が見えてなかったみたいだし、頭は完全に空だったみたいだ。これは杯なんかじゃなかった。どちらかと言えばトロフィーに見える。


それで、発想力豊かな俺は思いついた。ピットの戦士どもはものすごい苦労を乗り越えてチャンピオンになるんだから、式典を開いてご馳走を振る舞い、この杯を授けてやったらどうだろうか。名前を彫ってもいいかもしれない。きっとボスもこの考えを気にいるだろうと思って、提案してみた。


だがボスは怒り狂い、俺の足の瘤を踏みつけ、トイレ掃除を言い渡してきた。そんなことは考えすらするなと言われ、杯を奪われた。


それで気づいたら地下牢にいて、臭いバケツを洗わされてた。そこでまた気がついた。チャンピオンになるには、まずボスを殺さないといけない。ボスが怒って当然だ。


あのハグは正しかったんだと思う。確かに、最高のアイデアと最低の考えを同時に思いついた。



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