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ハーツ墓地 - 草稿



ハーツ墓地




著者

アリアナ・デュマス



武勇伝に関して、ハイロック騎士団の右に出るものは多くない。ウェイレストのバラの騎士のように、その多くが王家の護衛や領土の守護者として仕えてきた。彼らがその名を轟かせたのは王と国土を守る事によってだった。


しかし中には異なった誓いを立てた者たちがいた。彼らは王国の壁にとらわれることなく、山でリーチの民、魔女、フォースウォーンを探し、野蛮と混沌が支配する地に正義をもたらすと誓ったのだ。


そのような集団に、自らを墓地騎士団と称する者たちがいた。一見するとその名は皮肉めいて聞こえるが、彼らが守ると誓ったハーツ墓地は、ショーンヘルムの地下室の先まで続いていた。騎士たちは我々全員に備わった心臓を守ることを誓っていた。心臓が邪悪な茨と置き換えられることがないようにと。


気品と風格を備えた彼らではあったが、リーチでは別の名前で呼ばれていた。ショーンヘルムの戦魔術師と。彼らは邪悪なる者に一切容赦せず、彼らが通り過ぎた地は炎と剣で刻まれた傷跡で打ち砕かれていたからだ。


なぜ騎士たちが王国の外へ進出しようとしたのかには議論の余地があるが、流血の紛争や、サイモン・ロダインという騎士の死が大きな要因と思われる。彼はデイナラというベルダーマ魔術結社の魔女に欺かれて心臓を奪われ、ブライアハートと置き換えられた。報復としてその侍者たちは魔術結社たちを東へ東へと追いやり、リーチの民が不平を洩らそうものなら片っ端から殺害した。


しかし煙にまみれた小屋の中の口承は別の話を伝えている。サイモンは喜んで魔女に心臓を差し出したと言われている。そして彼らは、一緒に双方の一族の怒りから身を隠した。彼らは理解も許しも得られないことを承知していたのだ。


サイモンが死ぬと、デイナラはその心臓を彼に返し、彼らが結婚した祭壇に彼を埋めた。喪失の苦しみはあまりに大きく、彼女は朝から星霜の月まで泣き続けたと言う。やがてその涙は峡谷を満たし、カース川に流れ込むようになった。


今日に至るまで、サイモンの幽霊は彼の墓の下にある道に現れ、愛する者の涙を湛えた川を見つめているそうだ。


その話が真実か、歴史の捏造か、はっきりと言える者はいない。しかし、墓自体が存在していることは特筆すべきだろう。中の心臓がサイモンのものなのか、そうでないのか。それは墓守にすべき質問だ。



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