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エムシャラの日記
エムシャラには秘密がある。
バトル・ボーンの不倫のような、質の悪い秘密じゃない。店主が姉妹を嫌ってるというような、つまらない秘密でもない。エムシャラの秘密は、信じられないぐらい素晴らしい秘密。
エムシャラはいつもこんな風に、犬のふりをした猫のような日々を過ごしていたわけじゃない。違う。エムシャラはかつて山賊の戦士で、クリムゾンダークの一員だった。東帝都社やエルスウェーアのクランマザー、ここからサマーセット諸島に至るまでの衛兵に追われる、有名な悪党だった。衛兵に知られてしまったら、きっとすぐに殺されてしまう。だからエムシャラは秘密にしてる。
でももう時間がない。仲間が欲しい。この間、街の外れで物乞いをしてた時ザハリアが門を通ってるところを見かけた。エムシャラはザハリアの名前を呼んだけど、あのレッドガードは無視した。絶対に聞こえてたはずなのに、エムシャラは悲しくてたまらない。
エムシャラはこのまま死ぬわけにいかない。悪戯でもして、ホワイトランの衛兵を挑発してもいいかもしれない。そうすればもう一度、戦士になれるはずだ。
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