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暗殺者の日記



この弓は長く活躍していた。首長から王たちまで、たくさんの相手を倒してきた。誰の目に触れることも、音を立てることもなく、気付けば血塗れの床に王冠が転がっている。


しかし、今はあまりにも長く駒を倒せていない。ラエルラス・ガイルは駒を倒せなかった。ドラムは肉を奪ったものの魂まで奪えず、ゲームが進まなかった。


今は駒が悠々と座り込んでいる。私があの標的を狙い弓を引いている瞬間ですら、怠惰なあくびが聞こえてくるようだ。


だが、永遠に決着がつかないことなどない。この手に弓がある限り、形勢は再び一変するだろう。


ただし、時機を見計らわねばならない。雷雨の中で駒を倒しても、虚しく響くだけだ。


静かな時を待たねばならない。首長が戦やドラゴンのことを忘れ、油断している時を。スカイリムの戦いがホワイトランまでやって来てしまったら、弓を引き直すしかなくなる。


だが首長が世間を忘れ、大広間にぼんやり座り込む時は必ずやって来るはずだ。


ようやく一息ついている首長を傍目に上の階へ忍び込み、それを首長の最期の一息にさせてやろう。私が彼女の影に覆われて立ち去る時、気付けば床に王冠が転がっているだろう。



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