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船長の日記



第三紀39年 収穫の月28日

デッドマンズ・ドレッド号に乗って夏に出航した。夏は風が穏やかだからだ。だがキナレスの加護なく、航路から外れてしまって霧の中で立往生してる。目印となる太陽も星も見えない。乗組員たちは若い航海士クアヴィルの舵取りのせいだと言ってる。実際あいつを船に乗せたのは、前の船長が病気になって、どうしても人手が足りなかったからに過ぎない。



第三紀39年 炉火の月4日

乗組員のアシフはかつてアーケイの司祭で、儀式を行っていたらしい。前の船長は殺されたと言い張ってる。詳しくわかるまで、この話はあいつとの秘密にしておこう。



第三紀39年 炉火の月22日

日付がわかるよう、この日記の裏に印を付けてきた。でも付け忘れた日もあったから、もしかしたら今日は炉火の月22日じゃなくて新年の1日かもしれない。


だがこの寒さから言って、冬が近づいてることは間違いない。早く陸を見つけないといけない。乗組員たちがピリピリしてる。この1週間で、食料を巡って3回も喧嘩があった。さらに悪いことに、俺も頭がおかしくなり始めてる。西に目をやると、水平線にストロス・エムカイの黄金の砂が見えることがある。無理やり目を逸らすしかない。幻に決まってるんだから。



第三紀39年 降霜の月2日

極寒の中、ようやく陸が見つかった。乗組員たちは大喜びだ。洞窟の中で見つかった印からして、ここはあろうことか古い海賊のアジト、ブラックボーン島のようだ。クラウンに忠誠を誓う前、俺たちの多くは海賊だった。ここに着いたのは偶然じゃないのかもしれない。なんにしても、もう本土は近いはずだ。朝になったら南に向かってスカイリムを目指そう。



第三紀39年 降霜の月3日

俺たちはもうだめだ。この船が俺たちの墓になりそうだ。


真夜中に入口が崩れて中に閉じ込められた。それでもフォアベアーのクアヴィルが小船を壊さなければ、岸に戻れる可能性はあった。あいつを連れてきたのは俺だから、俺の責任でもある。


あいつは逃げも隠れもしなかった。それどころか、小船を壊したことをあっさり認めた上、前の船長を殺したことまで認めた。誰に仕えているかを明確にし、あらゆるクラウンにはタムリエルに安全な場所がないと知らしめたかったと言っていた。


あいつは営倉に閉じ込めた。もっと独創的な罰を与えたいと言う奴らもいたが、実際のところあれ以上の罰はない。



第三紀39年 降霜の月5日

状況は悲惨だ。食料は枯渇し、乗組員の半分は熱病で動けなくなってる。無駄な希望を抱いてる乗組員はもういない。だがそれでも、目的を持って死ぬことができる。


前の船長が死ぬ前に言っていた。船長室の壁にかかってる剣はサイラスのもので、略奪品が満載された船1000隻よりも価値があるものだと。


サイラスとの関係や、剣を手に入れた経緯については聞かなかった。だがあの英雄の遺産を船長がどれほど大事に守ってたかは知っているし、それは今や俺たちの使命だ。


乗組員たちには選択肢を与えた。ある者は酒を飲み、ある者は劇的な終わりを選んだ。旅立ちを前に、アーケイが我々の魂を船と結び付けてくれることを祈っている。かつてアトール王子が宝石と結び付けられたように。


我々はサイラスの遺物を守り、クラウンを称える。生前に叶わなかったことを、死後に果たすのだ。



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