トレジャーハンターの日記
トレジャーハンター
クレシタスの日記
第四紀179年
黄昏の月12日
日記を書くのはあんまり好きじゃないが、とりあえず始めてみようと思う。自分の業績を伝えていくにはそうするしかない。まだ「個人的吟遊詩人」を頼めるような富は手にしていないから。
まずは自己紹介だ。名前はクレシタス。スカイリムでの成功を夢見て、シロディールから北へやって来た。地下深くに眠る謎を解き明かし、女を口説いてみたかった。女に関してはそれほど恵まれなかったが、今でも場所が不明なままの古代闘技場の話を耳にした。元々の名前は記録に残ってないが、今ではチャンピオンズ・レストと呼ばれてる場所だ。
黄金や宝石で輝く広間が目に浮かぶようだ!
帝国図書館の地図によると、チャンピオンズ・レストはショール・ストーンの村の東にあるようだ。夜明けに東の山を目指して出発しよう。
黄昏の月13日
今日は手短に済ます。一日中歩いたが、成果はほとんどなかった。スカイリムはどうしてこんなに雪だらけなんだ? トレジャーハンターの人生はそう甘くないのかもしれない。だが楽な仕事なら、みんながやってるはずだ。明日はさらに峠を目指そうと思う。
黄昏の月16日
まだ生きてるのが不思議なぐらいだ。
山奥で足元の雪が崩れた。気づいたら、恐ろしく深い洞窟に真っ逆さまに落ちていた。スカイリムは最悪だ。
確実に両足が折れてる。痛いし苦しいし、絶望的だ。もうここで死ぬことになりそうだ。
落ちてから3日経った。食料は昨日なくなった。あの上の穴から奇跡的に雨でも降って来ないかぎり、水もすぐなくなるだろう。
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ずっと夢と現実を行き来してる。黒い海に浮かんでいる夢を見た。目の前に、見たこともないような剣が浮かんでた。物語に出てくるような、本物の財宝だった。そしてその剣が… 語りかけてきた。名前も呼ばれた。手を伸ばしたら…
目が覚めた。あの剣は本物だった。これを書いてる俺のまさに真横に、その剣がある。
足の調子がよくなってきた。一体どうなってるんだ。
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眠ってると、剣の声が聞こえる。剣が囁いてくるんだ。言葉じゃなく、意志で語りかけてくる。この剣は飢えている。俺にはわかる。もちろん、考えてみれば、武器が命に飢えていても当然だ。生身の人間から魂を解放するのが武器の目的じゃないか。
もしかしたら何もかも現実じゃないのかもしれない。
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また歩けるようになった。簡易キャンプを張った。剣が助けてくれてるのかもしれない。魂を渇望して、俺に探してほしがってるみたいだ。
前はここから出ることばかり考えてたが、今は… 敗れたたくさんの戦士たちの眠らぬ魂に囲まれ… ああ、ここに残ろう。
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剣が名前を教えてくれた。剣の名前は… 我々の名前は… ウンブラだ。