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異端の調査: 鍛冶屋の告白



ケンロは変わった男だった。いつも商品を見て回るのに、何も買って行かない。


剣が欲しいか尋ねると、「今日はいい」と答える。


豪華な鎧一式が欲しいのかと尋ねると、またも「今日はいい」と答える。


1ヶ月も毎日同じことを繰り返してきた。今日はいい、明日もいい、これからもずっとそう答えるんだろうと思っていた。


ある日店を開けて商品を確認すると、荷の間違いに気づいた。木箱の中に、普段の鉄や鋼と一緒くたになって、妙な青い宝石が入っていたのだ。何かの間違いだと思って送り返そうとしていると、ケンロが店に入って来た。


いつも通り挨拶して、商品を買いたいのか聞いた。もちろんいつも通り「今日はいい」と答えてくると見込んだで。


だが驚いたことに、ケンロの答えは違った。商品を買いたいと言ってきた。


剣も盾も欲しくないが、宝石が欲しいと。金を受け取りながら、みぞおちに妙な感覚を覚えた。ケンロに会うのはこれが最後になるような気がしたのだ。そこで、これからどこに行くのか聞いた。すると、鍛冶屋に行くと言う。冗談かどうかわからなかった。ここが鍛冶屋だったから。


どの鍛冶屋か聞くと、ファールブサーツのドワーフの鍛冶屋だと言う。


そこで私の顔は真っ青になった。ケンロは。「まるで幽霊でも見たみたいな顔だね」と言った


「いや。君は幽霊を見たことあるのか?」と答えたが、ケンロはただ微笑んだ。



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