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モロウウィンドの小史

モロウウィンドの小史



ジャネット・ジッテ 著




[はじめから]


伝説的預言者のヴェロスに導かれ、現在サマーセットとなっている島から亡命してきたダンマーの祖先はモロウウィンドの地へとやってきた。

最初の頃、ダンマーはノルドの海賊に襲撃、または支配されていた。散らばったダンマー達が集い、現在の大家の前身となる物を作り上げると、彼らを迫害していたノルド達を追い出し、さらなる侵略を阻むことに成功した。


その当時、部族の先人崇拝は堅固なトリビュナル聖堂の神権政治に取って代わられており、ダンマーはレスデインと呼ばれる大きな国へと成長した。

レスデインは、タイバー・セプティムに屈しなかった最後の地域だった。ブラック・マーシュのように完全に侵略されることはなく、条約で平和的に帝国の一部、つまりモロウウィンドの一地域として組み込まれたのだった。


帝国軍がやってきてから約4世紀経った今もまだモロウウィンドは帝王を形式的な指導者とする帝国軍に占領されているが、帝国は従来の五大家の統治評議会に対する地方自治機能の大半を有している…



[ヴァーデンフェル地方にて]


第3紀414年、かつて帝国の保護下にあり、聖堂の領分だったヴァーデンフェル領地は、帝国地方特別区として再建された。


ヴァーデンフェルは休戦条約以降聖堂による管理の下で維持されてきたが、聖堂が認可した大家の住居数件を除いて居住者はなく、未開発の土地だった。


しかし、何世紀も続いていた聖堂によるヴァーデンフェルにおける貿易と居住の禁止令がモロウウィンドの王によって撤回されると、帝国の入植者や大家のダンマーがヴァーデンフェルに殺到し、古い集落を拡大し、新しい住居を建てていった。


新しい地区はレドラン、フラール、テルヴァンニ、聖堂地区に分けられ、それぞれが各地域の大家評議会や聖堂司祭によって管理されたが、さらにその上には彼らにアドバイスを行ったり、物事の承認を行うドレン公爵とエボンハートの地区評議会がいた。


大家法と帝国法を合わせたこの場所の地域法は大家の兵士と帝国軍の兵士が共に行使し、聖堂地区では、聖堂法と帝国法がオーディネーターによって行使された。


この頃も聖堂が主要な宗教としては認識されたが九大神崇拝は帝国軍によって保護され、帝国の教団に奨励された。


聖堂地区には、ヴィベクの街、ゴーストゲートの要塞、そして神聖な場所や不敬な場所(ゴーストフェンス内のブライトが蔓延しているエリアを含む)、ヴァーデンフェルに存在する人が住んでいない部分や自然地域がある。


実際のところ、この地域にはレドラン、フラール、テルヴァンニ地区が主権を主張しなかった場所が全て含まれている。聖堂は全ての難題に対して頑なに取り組み、おおむね成功した。


フラール家は帝国の入植者達と手を組み、積極的に定住と開発に着手した。再編以降の数十年で、バルモラとアスカディアン島は着実に発展していった。


カルデラとペラジアドは完全に新しい定住地域であり、帝国軍の全要塞はより大きな軍を駐屯させられるよう拡大した。


普段は保守的で孤立主義のテルヴァンニ家はこれまで領地だった塔村を更に拡大することに対して驚くほど意欲的だった。他の家、聖堂、公爵、地区評議会の反対を無視し、テルヴァンニの開拓者達は聖堂に割り当てられた荒野を侵略していった。


テルヴァンニ評議会はこれらの入植に関して評議会は無関係だと公には責任を否定しているが、テルヴァンニの野心的な魔術師長達が手を貸していたのは公然の秘密である。


聖堂の圧力を受け、保守的なレドラン家は断固として自分達の領地を展開しようとはしなかった。結果的に聖堂とレドラン家は、意欲的で領土拡張主義のフラールとテルヴァンニから政治的にも経済的にも取り残されそうになっている。


帝国政権は、ヴァーデンフェルにおいて多くの困難に直面しているが、最も深刻な物として大家同士の対立関係、アシュランダー遊牧民から向けられる敵意、聖堂の内部抗争、レッドマウンテンのブライトがあげられる。


ヴァーデンフェルの資源をめぐる大家、聖堂、帝国間のいざこざは、いつ全面戦争へと発展してもおかしくない。アシュランダーは居住区を襲い、キャラバンを略奪し、自分達のテリトリーである荒野でよそ者の命を奪っている。


聖堂はといえば、批判や聖堂内の階級を改革せよという要求を静めようと試みたが失敗した。


しかし、この中で最も深刻な問題はレッドマウンテンから発生するブライトによって起こる疫病やそれに感染した者達である。


ヴァーデンフェルとモロウウィンドは長きに渡ってレッドマウンテンのふもとにいる伝説的な悪、ダゴス・ウルと彼の灰色吸血鬼一族によって脅威にさらされてきた。そして何世紀もの間、聖堂はこの脅威をゴーストフェンス内に閉じ込めていた。


しかし、近頃は聖堂の資力と意欲が失われつつあり、逆にレッドマウンテンの脅威は大きく、激しくなっている。


もしもゴーストフェンスが崩れ、ヴァーデンフェルの街や村へと疫病を持ったモンスター達が溢れ出したら、帝国はヴァーデンフェル地区を捨てて逃げ出し、疫病が蔓延して荒廃していく様をただ見守る他ないのかもしれない。

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Book3ValuableAShortHistoryofMorrowind