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大エルベロンの日記、第5巻



冬の間は予想通り猛吹雪で、傭兵たちが言うところの人工の石の山のようなものがそびえ立っていた。しかし実際は山ではなく、凍った水のサイロがそそり立っていた。それに、ひどい寒さだった! どれほど高い山でも比較にならないほどの極寒で、我々はすぐに毛皮を交換して暖をとる羽目になった。だが、風が強まったと思ったらすぐに止み、温度が下がったと思えば氷水が溶け、再び寒さが戻ってきた。サイロを越えるには、この変化する寒さを利用し、流氷でできた道を即席の橋として急いで渡らなければならないということがわかった。我ながら相変わらず賢明な解決策だ。



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