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大エルベロンの日記、第4巻
秋の間に足を踏み入れると、驚くべき光景が広がっていた。目の前には老朽化して草が生い茂ってはいるものの、広大な農場が広がっていたのだ。奇妙な果実や穀物が植えられ、瘦せ細った鶏が走り回り、巨大な両刃のセンチュリオンがその世話をしていた。ドゥーマーは地上の人々が収穫のためだけに季節を費やすことを面白がっていたのか、それとも忘れ去られた饗宴の神を嘲笑うためにこのようなことをしていたのだろうか? いずれにしろ、私はこのドワーフの作物の標本を採ることにした。
果実は香りこそ良いものの岩のように硬く、中から怪しい光を放っていた。だが刃を持ったセンチュリオンたちはその堅固な作物を軽々と切り裂き、農場の奥にある貯蔵槽へと運んでいた。この機械の刃が肉や鎧を難なく始末できることは疑いようがなかったが、弟子たちが果敢に機械たちの注意を引き付けてくれたため、あの重い小麦を倉庫に運ぶことができた。ドワーフが始めたこの奇妙な試みに貢献すれば、農場の残りの部分にも入れるかもしれないと見込んだのだ。
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