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忘れられた季節v1



忘れられた季節

ドワーフ古代世界の旅 第1巻



著者

エルベロン・ブラックソーン



蛇油の血清でタングルヘイヴンの街を救って以来、我が功績の噂が広まり、ある親切な支持者が古い大洞窟の場所を教えてくれた。だが、それは単なる自然にできた洞窟ではなく、長らく忘れ去られていたドワーフの遺跡「ヴァードンクンド」だったのだ。


最近この地域は大嵐に襲われたのだが、現地の人々は皆この洞窟に何か呪いがかかっており、悪天候に見舞われたのはそのせいだと考えた。だが読書家であるエルベロン・ブラックソーンは、この洞窟にまつわる伝説に精通していた。私は長らくヴァードンクンドを探し求めていたのだ。なぜならこの洞窟の奥深くには、「天候の魔女」として知られるカルスタングズ・ベハルンが眠っていたのだから。


これは天候を操れるという伝説の装置で、ヴァードンクンドのものはその中でも最強のものだった。だが彼らはなぜそのような装置を作り出したのか? 無実の人々を恐怖に陥れるためか? あるいは地下の渇水を解決するためか? どちらにしろ、今この地域には嵐が吹き荒れており、それが誰のせいなのかは明らかだった。私は現地の人々を救い天候の力を手に入れるため、信頼できる傭兵たちと共に、これまで同様に勇気と技によってこの問題に取り組んだ。


洞窟の中には、嵐が猛威を振るった痕跡が依然として残っていた。パイプからは毒が漏れ出し、瓦礫が散乱し、何より、洞窟の中で大嵐が吹き荒れていた。天候の魔女が狂ってしまっていたのだ! 残念ながら、主回廊への扉は閉ざされていた。だが私はドワーフや彼らの忌まわしい科学に造詣が深かったため、すぐにこの問題の原因を推測できた。


そう、読者諸君。この吹き荒れる嵐は、四季に由来する魔法から力を得ていたのだ。要するに、ドワーフはまさにこの遺跡において春夏秋冬の大規模分析を行い、各季節に導管を繋いで自然の力を回廊に集め、天候を操っていたのだ! つまり、施設各所に入って導管を外せば済む話だった。そうして初めて、主回廊に入って天候の魔女を停止できるのだ!


第1巻では各季節の予備施設への大冒険や、そこからの脱出劇が描かれている。また次巻で記載される、導管の停止方法の手引きの役割も果たしてくれるだろう。


この情報と後援者からの資金援助により、私は見習いと共に再びこの遺跡の中心部へ乗り出した。今回はより多くの人員を投入し、より満足のいく結果を見込んでいる。</font>




秋の間に足を踏み入れると、驚くべき光景が広がっていた。目の前には老朽化して草が生い茂ってはいるものの、広大な農場が広がっていたのだ。奇妙な果実や穀物が植えられ、瘦せ細った鶏が走り回り、巨大な両刃のセンチュリオンがその世話をしていた。ドゥーマーは地上の人々が収穫のためだけに季節を費やすことを面白がっていたのか、それとも忘れ去られた饗宴の神を嘲笑うためにこのようなことをしていたのだろうか? いずれにしろ、私はこのドワーフの作物の標本を採ることにした。


作物は怪しい光を放ち、穀物は岩のように硬かった。だが刃を持ったセンチュリオンたちはその堅固な小麦を軽々と切り裂き、入口近くの倉庫へと運んでいた。この機械たちの刃が肉や鎧を難なく始末できることは疑いようがなかったが、見習いたちが果敢に機械たちの注意を引き付けてくれたため、逃げることができた。時間や人員にもう少し余裕があれば、私もあの重い小麦を倉庫に運び、ドワーフが始めたこの奇妙な試みに貢献できていたかもしれない。




色鮮やかな春が私を出迎えた。金属や石でできた部屋に、美しい花々が咲き誇っていた。至る所に野性的で攻撃的な花が咲き、床を覆い、不幸な死体がいくつも転がっていた。この恐ろしく美しい光景は、すぐに息苦しさによって阻まれた。


太くごつごつとした根が通路を塞ぎ、我々の行く手を阻んでいた。ドゥーマーは自然を煩わしいものだと見なし、春を苦痛の季節としか見ていなかったのかもしれない。傭兵たちが苦心しながら樹皮を切り開く中、知覚力に優れた私は人工森の中でうごめく奇妙なスプリガンたちに気づいた。私がそのスプリガンを払いのけると、まるであの森の生き物の体の一部であるかのように、その根が小刻みに震えた。あのスプリガンたちは庭園の番人だったのか、それとも庭園によって生まれた生き物だったのか? いずれにしろ、どうにかしてあのスプリガンと根のつながりを断ち切ることができれば、遺跡のさらに奥へと進めるかもしれない。




夏はトンネルやパイプが迷路のように入り組み、もう数百年も放置されていることは明らかで、まさに混沌と化していた。石の裂け目からは見渡す限り溶岩が噴出し、耐えがたい暑さのせいで足取りもおぼつかず、下級の傭兵たちの多くは涼を取るために撤退を余儀なくされた。だが、ドゥーマーはこの猛暑を予測していたのだろう。彼らにとっては、この耐えがたい天候こそが夏だったのだから。


猛暑の中を歩いていると、修理スパイダーが行き来し、部屋の側面へとつながる橋を降ろしていることに気がついた。それぞれの箇所には魔法の冷却剤のようなものを放出する中間地点があり、耐えられないほどの暑さを単に不快な程度の暑さへと軽減してくれているようだった。スパイダーたちの経路を変えて別の中間地点にも誘導できれば、さらに温度を下げられるかもしれない。




冬の間は予想通り猛吹雪で、傭兵たちが言うところの人工の石の山のようなものがそびえ立っていた。しかし実際は山ではなく、凍った水のサイロがそそり立っていた。それに、ひどい寒さだった! どれほど高い山でも比較にならないほどの極寒で、我々はすぐに毛皮を交換して暖をとる羽目になった。


この部屋を進むには、塔の周りの凍っていない水に潜らないといけないことがわかった。そしてこの場所を住処としている氷の生霊たちさながらに、その塔に近づいて回り込まなければならなかった。我ながら相変わらず賢明な解決策だったが、今すぐに危険を冒すわけにはいかない。誰かそれほど重要ではない人物を見つけてから、再度この遺跡に戻ってきて挑戦させた方がよさそうだ。



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