STARFIELD LIBRARY
スターフィールド図書館
私が正しかったら?
[ECSコンスタントの離陸前に地球で出版されたルパート・ブラッケンリッジの最後の自伝より抜粋]
...だが信じようが信じまいが、我々の未来には危機が待ち受けている。地球は決してもろくはないが、大量絶滅、隕石、氷河期、戦争などの大災害を何度も経験している。人類にはたった1つしか住処がない。そこが住めない環境になったら、どれだけ地下バンカーがあったとしても生き残るのは無理だろう
こうした理由から私は地球コロニー構想に取り掛かった。だから22世紀の最も賢い人たちに連絡をして知識と資金の援助を要請した。人類が生き残るだけでなく繁栄しようと思うならば、宇宙を目指さねばならない。これを読む人々もこの構想に加わってついて来てほしい。世界の政治家たちが人類永久保存の行動方針に合意するまで待つのはもう疲れた。だから私のブラッケン・グローバルのような民間企業が自分たちで道を切り開くしかないのだ
完成すれば、ECSコンスタントは今までに類を見ないものになる。選ばれた人類を太陽系の彼方にある未開の宇宙へ、われらの新たなエデンの園へと運ぶコロニー船である。どの視点からみても完璧な構造だと科学者たちも断言している。そしてそうあり続けてもらうため、私も尽力するつもりだ。再生可能エネルギーで作られた新しい世界であり、新しい社会を築くための信想できる土台である。そしてそこから新しいコロニー船が作られ、新たな惑星へと旅立ち、同じ理念と価値観の下でそれらを植民地化する。人類にとって素晴らしい未来だ何百年、何千年とかかるかもしれないが、人類を新境地へと導き、その道中で発見されるかもしれない他の生命体にとっても良い例となることを確信している
[本の続きは未来のユートピアの設計などについてだらだらと書かれている。合理的に思える部分もあるが、今から思えば彼の野望は大きすぎるように感じられる]