STARFIELD LIBRARY
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アマラの日記
[2140年の離陸後、ECSコンスタントに乗って生活をした10代のアマラ・ミシュラが書いた日記集]
2141年3月2日:
船の上は、すっごく退屈。宇宙は楽しいかと思ってたけど、そんなことない。一緒に乗ってる子供たちはみんな年下。ダコスタ先生は小さい子たちにかかりきりで、私たち年長組のことを忘れちゃうから、学校の授業もつまらないし。故郷の友達に会いたい。地球は大丈夫なのかな?
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2141年6月16日:
最近はエズラと一緒にいることが多い。歳の近い子は少ないし、ピアはもうジャニカが気になってるみたいだから、エズラのことをもっと知ってみようかなと思って。実は結構共通の趣味があるんだ。2人とも映画やゲームが好きなの。サシャとかローダウンシーヴズとか、聴いたことのない音楽を教えてくれた。でもつい考えちゃった。好きなバンドの新曲はもう一生聞けないんだって。自分でバンドを始めるのはどうだろう? まずは楽器を弾けるようにならないといけないけど。エズラにどう思うか聞いてみよう
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2141年11月11日:
コンスタントではみんなに当番が割り当てられるってママが言ってた。音楽ばかりやってないで宿題もやらないと、ゴミ係とトイレ掃除係に推薦するって。医者が多すぎて、ママは希望してた医療担当の代わりに水耕栽培係になったからイライラしてるみたい
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2142年4月24日:
パパがちょっと変になっちゃった。壁が迫ってきて押しつぶされそうに感じるんだって。錯乱してエアロックを開けようとしたから、落ち着くまで一晩営倉にいさせてた。こういうことは前にもあったから、みんなも納得してるんじゃないかな。ママが言うには、若い世代はこの生活しか知らないから大丈夫だけど、外の世界を知っている人たちにとっては厳しい生活なんだって。そもそもなんでこんな生活しようと思ったのかな?
[最後の日記はここからかなり時間が経過している]
2199年8月9日:
昨晩、エズラが眠りながら静かに息を引き取った。ライラ、ギデオン、それぞれのパートナー、それと子供たちとでアトリウムに友人たちを招いて小さな告別式を執り行う。その後火葬して霊廟に入れる。つい先月、人生に後悔はないかと聞いたら、ないと言っていた。どこにいようと、私と過ごすのが最高の幸せだったと。私はコンスタントに閉じ込められていなければ良かったのにといまだに思うけれど、生涯を共にする人が彼で良かったと思う。長年にわたって愛を与えてくれたこと、連れ添ってくれたことに感謝するとともに、彼がいなくなったことを寂しく思うわ