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STARFIELD LIBRARY
スターフィールド図書館
時空の物語
クリスタルエッグ
1年前までセブンダイアルズ通りの近くに小さくて汚い店があり、その上には摩耗した黄色い文字で「自然主義の骨董商C・ケーヴ」と書かれていた。窓から見える商品は面白いほど多岐にわたっていた。像の牙、不揃いのチェスの駒、ビーズや武器、目玉の入った箱、虎の頭蓋骨が2つと人間のものが1つ、虫に食われた猿のぬいぐるみがいくつか(うち1つはランプを持っていた)、古めかしい戸棚、腐ったダチョウの卵のようなもの、釣り用具、そして異様に汚い空っぽの水槽。そしてこの物語が始まる時、そこには卵の形をした丁寧に磨かれた水晶の塊があった
[1899年、3つの短編小説と2つの中編小説からなるH.G.ウェルズの作品集が出版された。「クリスタルエッグ」「ザ・スター」「奇跡人間」「石器時代の物語」「来たるべき世界の物語」である]