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神なき宇宙における慈愛:パートⅡ
神なき宇宙における慈愛
アメリア・サン
パートⅡ:
私が暮らしていた入植地は、家族が通う教会の信徒によりコミューンとして創設された場所だった。誰からも邪魔されず、平和に祈りを捧げられる場所として
しかし噂が広まるのは早く、小さかった入植地は拡大した。平和な場所を築いたことで、助けを必要とする人や他に逃げ場のない人らが寄ってきた
私が10歳の時、道の先で2人の警備員がやせ衰えた男を連行していた。その男は入植地の非常食を盗んでいたらしい。地域の警備隊は何週間も窃盗犯を追っていた
私はその男が腹を空かせているのかと両親に聞いた。連行される男が何も食べていなかったのであれば、彼が盗んでいたのと同じ食料を与えられるのでは?と
両親の答えはこうだった。入植地としてはその男に食料をわけることはできるかもしれない。だが窃盗は罪であり、犯人は神に許しを請う必要がある。その晩、私たち一家はその男の魂のために祈りを捧げた。その男に罪の人生の向こう側を見せてやってほしい、と
その男はエドガーという名だった。彼が必要としていたのは、私たちの祈りなどではなく、食料と仕事だった。しかしどちらも与えられなかったため、彼は入植地の刑務所に何年も出入りした