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ヴァルーン家大使館のパーソナルコンピューター

INTRODUCTION DATA

昨日、コロニー連合におけるヴァルーン家の大使としての任期が始まった。この新たな大使館の創設は、我々が血塗られた過去を乗り越えたことを証明すると信じ、希望を胸にしてこの土地を訪れた。

DATA

ログ:到着


昨日、コロニー連合におけるヴァルーン家の大使としての任期が始まった。この新たな大使館の創設は、我々が血塗られた過去を乗り越えたことを証明すると信じ、希望を胸にしてこの土地を訪れた。しかしニューアトランティスに到着してから一時間も経たないうちに、私を待ち受ける困難が顔を出し始めた


宇宙港から大使館までの短い距離を歩いただけで、街中の見知らぬ人々に疑い深い視線と嘲笑を浴びせられた。人々の心は、そう簡単に変えることはできないだろう。ヴァルーン家の悪行は、すぐに忘れられるようなものではないからだ


この大使館が差別や暴力とは無縁の、平和的な未来の象徴となることが私の切なる願いだ。

これからどんな抵抗に遭おうと、私はその目標を体現するために最善を尽くす。見知らぬ土地に身を置こうと、グレート・サーペントはきっと私たちの挑戦を成功へ導いてくださる





ログ02:抗議


今朝、静かに祈りを捧げていたところ、くぐもった叫び声が私の集中力を途切れさせた。声の原因を探ってみると、コロニー連合市民のかなり大きな団体が、大使館の前で抗議活動を行っているのを見つけた。彼らはヴァルーン家と外交関係を結ぼうとしている政府に反対し、大使館の即時閉鎖を求めていた


私は彼らと対話を試みたが、無駄に終わった。大半は私の言葉を聞こうともせず、聞いてくれた者も、ニューアトランティスでの我々の目的があくまで平和的であるとは信じなかった。群衆の怒りがエスカレートし、身の安全が脅かされるようになると、最終的に大使館の衛兵が介入したが、私はこの建物の中に戻らざるを得なくなった


このことについては、コロニー連合の代表者と相談するつもりだ。この取り組みを成功させるには、彼らの協力が不可欠だ...

しかしこのような事件は、これで終わりではないかもしれない





ログ03:訪問者


日に日にもどかしさが募っていく。グレート・サーペントよ、なぜ私にこのような試練をお与えになるのですか?

先日、シア・マヴァン様が大使館を訪れられた。あの方ほど高位な可祭、それもグラビドが、コロニー連合との会談のために来訪され、私は大いに喜んだ。ヴァルーン家がそのような姿勢を見せるとは、今まで私たちの活動に懐疑的だった人々が、ようやくその価値を見出したに違いないと考えたのだ


しかし、私の期待は裏切られた。シア様の掲げる使命と、その実際の意図が食い違っている。コロニー連合の代表者と対話する機会をすべて断り、代わりに私が何か月もかけて信用を得た外交官たちを監視するべきだと絶えず訴え続けていらっしゃる


シア様は古い考えに囚われてしまっている。あの方には見えていない。私たちがここで成し遂げようとしているのは、ヴァルーン家の未来を保証することだと。サーベントクルセイドがもたらした損失は計り知れない。外交こそが、ヴァルーン家の存続を確実とする唯一の手段なのだ



シア様には、それに気づいていただかなければならない。幸い、今夜の夕食会がその絶好の機会となるだろう。主催者であるUCの外交補佐官、ローランドは冷静で合理的な人物だ。

それどころか同情的だと言えるかもしれない。私の経験からすると、UCでは珍しい存在だ。シア様が彼を歓迎すれば、ローランドはきっとシア様を仲間として受け入れてくれるに違いない


グレート・サーペントよ、どうか実現させてください





ログ04:ディナー


グレート・サーペントよ、私の信心を試されているのですか? 私の忠誠を裁定するおつもりなのでしょうか? このような大惨事を許した理由は、他に考えられません


ローランド補佐官との夕食会は、当初期待できそうな雰囲気があり、和やかとも言えるほどだった。ヴァルーン家の目的に関する刺々しい質問もいくつかはあったが、全体としては落ち着いた空気が保たれていた


するとローランドの客人として来ていた騒々しい将校らしき人物が、チャンドラに酔った勢いかこう発言した”あんなことをした奴らを、どう信用しろって言うんだ?”と。その時、グラビドの堪忍袋の緒が切れたのだろう。ただの言葉かもしれないが、言葉こそが外交という争いの戦場だ。この発言をシア様が許すはずがないと気がついた頃には、すでに手遅れだった


デザートが振舞われる中、シア様は席を外し、私たちは戻られるのを待って、待って、待ち続けた。だがシア様がそのまま出て行ってしまったことが明白になると、私は早々に挨拶を済ませ、急いで大使館へ戻った。そこには荷物をまとめるシア様の姿があった。どこへ行かれるのか私が尋ねると、シア様は"見るべきものは全て見た"とだけおっしゃった


そしてあの方はそれ以上言葉を発することなく去ってしまった


ダズラの知り合いに連絡を取ると、私たちが目的を達成できると信じていると励ましてくれた。ジャレク・ヴァルーンも信じてくれている。私に必要な励ましはそれで十分だった





ログ05:信仰の試練


今日、最後のスタッフが出て行った。これで大使館は閉鎖したも同然だ。ヴァルーン家の指導者たちはもはやコロニー連合と一切の連絡を断っている。私たちがダズラから受けだ命令もただ冷たく、たった一言でしかなかった。"帰還せよ"と。私たちの拠点を放棄する理由も、使命を投げ出す理由も述べられていなかった


だが私は信心を試されている。私にはそれがわかる


私はヴァルーン家に仕えている。それを単純に解釈すれば、私はその命令に従うべきだろう。だが私たちはそれ以上のことを行っている。生存は私たちだけで実現不可能だ。だが他の者がそれを理解しようとしないのであれば、仕方がない


だから私は今ここで、皆が真実に気づき、戻ってくる日を待っている





ログ06:静寂


もう何ヶ月も同胞から連絡がない。何度かこちらから連絡を試みたが、私のメッセージがダズラに届いているのかすらわからない


そのため、私は考えることに多くの時間を費やしている


私たちがこの遠い星に移住し、家を作ることを容認したにもかかわらず、なぜたった一度拒絶されただけで帰還を命じたのだろうか?その拒絶も、ただの酔っ払いの失言だ。いくらシア様でも、宮廷にそこまで影響力は持たない


いや、何か他に大きな策路があるに違いない。スタッフの撤退指示...あれはグラビドの一件が原因ではない。何か変化が起きたのだ


しかしここに留まれば、それが何なのか知ることはないかもしれない。時が解決してくれるのを待つしかない





ログ07:スパイ


ここに記録を残すのはずいぶん久しぶりなようだ。今日は珍しい出来事があった。コロニー連合のスパイが大使館に忍び込んできたのだ


夜明け前、朝の祈りを終えようとしていたところ、コツコツと何かを叩く音が聞こえた。当初は私の耳がついにおかしくなったのかと思ったが、その正体はエレベーターが下りる音だった


招かれざる客に悪い予感がした私は、上の階に上がって毒の木のところへ行き、枝の間に隠れた


私は胸壁の上に佇むガーゴイルのように、若い男が警戒しながら歩いていく様子を見張った。彼は私が一生懸命育てた本の枝の枝を進んで行ったが、恐怖していることが見てとれた。ある時、男が通ろうとすると枝がバキッと折れ、驚いた彼は30センチほど大きく跳び上がった。音が無害だと彼が知ったのはその直後だった。サーペントクルセイドが終結してからこれほど長い時間が経っているにもかかわらず、ヴァルーン家の存在が未だにここまで恐怖を与えていることが、私にとって衝撃だった。この光景が自分の努力の失敗している表れでなければ、私は笑って見ることができただろう


私たちは2時間ほどこうやってお互いから身を隠し続けた。何の変化もなく過ぎる日々の中で、よい刺激となった。彼は最終的に諦めてエレベーターへ戻っていき、私も瞑想を再開した


しかし今になって振り返ると、この訪問の目的は非常に嘆かわしいものだ。あれは外交官でもなく、隣人でもない。あれはスパイだった。普通は入ることのできない場所に、何者かが侵入してきたのだ


私は死んだと思われているのだろうな





ログ08:予期せぬメッセージ


ついに来た!

私に届いたメッセージは、ニューアトランティスの現状について情報を求めるごく短いものだったが、それは私を大きく安堵させた


ついにヴァルーン家から連絡が来たのだ!


もう二度と同胞と連絡が取れないかもしれないと覚悟していたが、今日のメッセージはその不安を払拭してくれた


真意は不明だが、ヴァルーン家が交流を再開する意志があると知って安心した。これはダズラがコロニー連合との外交により真剣に取り組むことを示しているのだと期待している


グレート・サーペントよ、ついに私の祈りを聞き届けたのですね。ニューアトランティスでヴァルーン家の目的を遂行する中でも、祈りが私を支え続けると固く信じています。あなたの美しき光が同胞とかつて敵対した人々を照らし、調和の時代をもたらすしるべとなりますよう




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